読　書

一般書 >　「ことばの知恵を」を超えて

・ 高　史明　著

 語ることばは実におだやかであるが、話の内容は重く厳しく胸が苦しくなった。
一人息子の自殺を通して、慟哭のただ中で宗教からの声を聞き歎異抄に導かれていく。 やがて残された詩や、愛読書「星の王子様」にふれながら語っていきます。 ときには「楽しいことがもっとも苦痛を呼ぶものになり変るとはなんということだろう」 とも書いている。
　なぜ死んだのかと、常に死者に問いかけている。 今となっては真実はわからない。だがこの世に生きてる者にとっては 地獄をみる想いである。だがこの苦しみは、自己側に立っての想いに すぎないのだろうか。「親鸞は父母の孝養のためとて、一返にても 念仏まうしたること、いまだそうらわず」歎異抄の５章の冒頭を 読んでいるうちにこんな疑問が浮かんできました。

■2005.10.01
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