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・ 立原　正秋　著

  随分と古い話になりますが、「日曜か東芝劇場」の全盛の頃に放映され、毎回楽しみに見ていました。 あの頃から比べれば、現在は経済的には豊かになりました。だが世の中は殺伐とし、 心は乾き何をどうすれば良いのか彷徨っている私たちです。その想いが行助に会いたく、本を捲る。
護送車に揺られ少年院に送られて行く。多摩少年院と、後に入ることとなる美ヶ崎特別少年院が 主人公行助の生活の場となって行く。
　5歳の時父と死別、小学4年の春、母が再婚　宇野行助となり高校２年の春を迎える。そして事件が起こる。 義兄に犯されそうになっている母を庇い義兄が持ち出した出刃包丁で 奪い合って縺れ義兄の右腿に刺さってしまう。自堕落な義兄は女中の息子が 刺したと訴え、行助は自分が刺したと主張し真実は母子の胸にしまいこまれてしまう。
殺人事件が絶えない世の中、なんで、、、どうして、、、の繰り返しで、最近では、 いとも簡単に人を殺してしまう。救いようのない時代圏に突入。
行助の胸の内は、真実は？

■2003.11.30
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