読　書

一般書 >　われ巣鴨に出頭せず

・ 工藤　美代子　著

　昭和20年12月、GHQ（連合国軍総司令部）から逮捕令が出され、巣鴨収容所への出頭を命じられた近衛文麿元首相は、 服毒自殺した。5摂家の筆頭に生まれ、国民的人気も高かった近衛文麿氏は、本当に「弱い人間」だったのでしょうか。 生後8日目に産褥熱で逝ってしまった母との死別。思春期に多くの者が通る道ではあるが、社会の不平等や身分制度に ついて敏感だった一高生時代・・・。
台頭する軍部を抑える切り札と期待され、12年に首相に就任。 しかし、同年に起こった盧溝橋事件に始まる日中戦争の拡大を防ぐことができなかった・・・。
歴史、特に近代史を語ることの難しさや危うさを味わいつつ、やはり真実への道を突き進むことは重要なことと思う。 そして、いかに忠実に表現できるかが問題だと感じた。

■2007.05.01
topに戻る