読　書

一般書 >　藤沢周平　父の周辺

・ 遠藤　展子　著

　ひとり娘が初めて綴った、素顔の藤沢。そこには普通でいること、平凡な生活を守ることに こだわっていた父、小菅留治の姿が映し出されていた。実母は、娘を産んで間もなく亡くなる。 再婚する際には、知り合ってから三ヶ月という速さで結婚。ひとり娘の卒園式と入学式に間に合うように。 ひとり娘のために弟妹は作らないこと。娘かわいさの徹底した行動力に驚かされましたが、正義感の強い 主人公と一致し、納得してしまう。
娘時代の話の中で、ステテコにシャツ姿の父、 気分転換のためにパチンコ屋に通い、娘とはちあわせする父、娘のために始末書を書く父など、 そこには平凡な日常が事細かに描かれ、作品の原点を見つけたような気がします。

■2007.05.01
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