読　書

一般書 >　死にとうない 仙崖和尚伝

・ 堀　和久　著

　 軽妙洒脱な禅画で知られ、「東の良寛・西の仙崖」と謳われた。筑前聖福寺の中興の祖・仙崖 義梵の生涯を描いた歴史小説である。臨終の仙崖和尚の口からでた言葉は「死にとうない」ー 「ほんまに、死にとうないのう」。 死を前にして、すべてが見え、すべてが聞こえる。いかに厳しく修めても解脱はなお遠かった。 いくら行脚を続けても、座禅を重ねても、悟りを得るには至らず、ただ、飢えをしのぐために行脚していることもあった。 大飢饉による人食いの悲惨時を何度も目撃し、女犯の罪に苦しみ、それでも死に直面すると、生にしがみつく。 その悪業を呪いながらも、仙崖はいきのびるのである。やがて、本来無一物、一切の我を捨てて師の懐にとびこもうと、 小さな悟りをいったんは得るが・・・。
人は、我欲を背負って、生きている。その欲を捨てたら楽に生きられるのでしょうか。

■2008.09.01
topに戻る