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怪談レストラン編集委員会　責任編集　・ 松谷　みよ子　・　たかい　よしかず　絵 ・ 童心社　

　背すじがゾーとするような　たのしいお話を　どうぞ存分にご賞味くださいませ。
このレストランのできたわけを
ドイツのある小さな村の小高い丘の上にまるい塔のようなふるい建物がのこっている。 いまはレストランになっている。その塔には欲のふかい夫婦がじまんの息子とすんでいた。 やがて、息子が家をでて、とおくはなれた土地で働くようになると宿屋にして旅人をとめはじめた。 ある日、旅の商人がぽっくり死んで、大金を手にいれた。それから欲に目がくらみ、 旅人を殺し、金をうばい、死体をちかくのあなにほうりこんで、しらん顔をきめこんだ。 あるとき、りっぱな身なりをした若者がとまった。旅人の持ち物の品定めにいっしょうけんめいでお客の 顔などろくにみなかった。そして、いつものように殺してしまう。荷物をあさっているうちにわが息子 とわかり、ふたりは若者にとりつき、声をかぎりにさけんだ。「息子よ、目をあけておくれ」と。
さあ、準備ができたようです。レストランへようこそ！

■2010.12.01
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