入学の際に買ってもらた学用品、なかでもランドセルは、一番の喜びだった。 あまりにもうれしく何回も開たり、触ったり、撫でたりしていたことを今でも覚えています。 特にかばんの匂いは、今までにない高貴なかんじが漂い誇らしい気持ちになったものです。
　小学生の途中から始まった給食は、脱脂粉乳の独特な臭いやぱさぱさした食パンに馴染めず 先生に叱られながらも飲まず食わずで食パンは持ち帰る始末。
　中学生となり弁当の中味は自家製の米、自家製の海苔、煮豆など質素なものでしたが、友と肩を並べて食べる昼食が 美味しく待ち遠しいほどでした。

　小学校の校舎の裏側は、江戸川です。当時は度々土座衛門が上がったように記憶する。恐い思いが 度々に感じていたのかもしれませんが土座衛門の話は大人たちの会話から耳にしました。 理由までは幼すぎて分かりませんでしたが戦後の混乱期貧しさ故の成り行きだったのでしょうか？

　元旦は全員登校。式典のため先生達は袴姿で妙によそよそしく近寄りが たいほどに緊張感に包まれていた。行事後、紅白饅頭が記念に配られた。 映画鑑賞も行事のひとつで楽しみでもあった。｢愛のリレー」は、破傷風になってしまった子どもの命を救うため 、血清を運ぶ話でした。「日露戦争」は、終了して外に出たら一面真っ白で、頭の中で一瞬タイムスリップしてしまいました。 その後、いつの間にか元旦の行事は無くなっていた。

　小学二年生となり校舎が家から離れた田畑のある海寄りへと移ったのです。 用水路が流れ、田園地帯の中の校舎は緑豊かな環境でした。 二階建ての校舎から平屋となり端から端へ、そして、校舎から校舎への移動が 広すぎて迷子になるほどだった。
　勉強をそっちのけでゴム飛びやビー球、石蹴り、どんま、かくれんぼや、ベーゴマとよく遊んだものです。 特に紙の着せ替え人形が大好きで切り抜いて空き箱に入れ風呂敷包みにしてお友達の家でも遊ぶ。

　それまではのんびりしていたのですが 一応ベビーブームの到来として 受験戦争の兆しもこの頃からで, 東大アチーブ（業者テスト）もぼちぼち 行われていました。我が子の時代ほど 過激ではなく序の口、地域差もあるで しょうが、私の地域では、経済的理由で まだまだ学業より就職でした。
　戦争の経験はなくても後の日本を肌で 感じてきました。考え方の変わり様から 始まり、現在に至り間違った教育論が 飛び交う時代に突入して、一部子供の 頃からの疑問も解けてきました。小五、 六年では、ロシアはよい国と教わり、 うん、うんと頷けず、アンネの日記を 読み益々疑問が膨らみ疑心暗鬼で 青春を終えたのです。